エンジン関係


エンジン整備の勘所

1.作業前に、ガソリン、ブラシなどを使って、エンジン本体を清掃する。ごみ・特に砂や、土埃は、硬いのでベアリングの劣化につながる。

2.ピストンやリング交換のみの場合は、混合油(ガソリン+オイル)で、クランクケース内を洗浄すると、ベアリングの寿命が延びるとともに、燃え残ったオイルなどが除去されエンジンのかぶりが、なくなることが多い。

3.右側クランクケースに、クランクベアリング圧入の際は、右側クランクケースを電気こんろなどでゆっくり(重要)加熱・温度は100度程度。ベアリングは、スムーズに取付けできる。この際、ベアリングを冷蔵庫で冷すと、さらに取付けは容易だ。

クランクケースが歪むのでバーナーなどで急加熱してはいけない。
ベアリングを外すときは、ケース全体を40度くらいまで暖めるとベアリングの締りが多少ゆるくなってケースに与えるストレスが軽減される。
 完全にベアリングが回ってしまっているときは、本来はケース交換になるが「ロックタイト638・最高強度」で固定は可能だ。この場合は
ベアリング本来のしめしろが得られない為、隙間が変わってくる。


4.左側の、オイルシールの取付け位置は、一次圧縮に大きく影響するので、適切な位置にセットしたい。
エンジン回転がやや低速よりになるが、できるだけ奥にセットすると、ピークパワーを高くすることができる。入れすぎると、エンジンの伸びきりが悪化する。
この場合のセット位置は、クランク左端より、68mm程度である。なおこれ以上は、奥に入れないこと。

5.ケースの歪みは禁物だ。ガラスなどの、平面の出たもので、ひずみはチェックしておこう。部分的な加熱により変形する可能性が高いので、ベアリング挿入時には時間をかけてゆっくり加熱すること。
歪んだケースは、ネジで締付ければ形にはなるが、軸受の平行が狂っていることがあり、最悪ベアリングの焼付きにつながることがある。

6.クランクケースは、ネジで固定されて剛性を保っているので、ネジは、トルクレンチを使用して、一度に締付けずに2-3回に分けて締付けるようにしよう。ネジの長さが色々あるので、締める前に穴に挿し込んで、長さを確認して間違えないように組み付けよう。



クランクシャフト

 現在新品で入手できる製品は、1タイプだけである。~88年クランクは、一時圧縮が高くなる(バランス穴が無い)ためけっこう人気がある。特に曲がりの少ない物は、長期間使っても悪くならないので大切に使いたい。
 新品クランクは、製造ロットによって、ばらつきが多いので、使用前に、精度を確認してから使ったほうが良い。芯だしは、気休め程度の効果(すぐに元に戻ってしまうことが多い)しかないので、はじめから精度の出ているクランクは、大切に扱うこと。
よく、芯出しで0.01mm位まで精度を出す人もいるが、実際にはそこまでは不要で、曲がり以外に性能に関係している部分があるようだ。
混合気の燃焼圧力で、閉じる方向に曲がりやすいので芯出しする時は開く方向に0.02mmくらい補正するのも良いかもしれない。
個体差として、重量にばらつきがあるので、エンジン特性の好みに応じて選択すると良いだろう。



クランクケース

 年式によって、変更は在るものの、基本的なものは変わっておらず、どれでも使用できる。但し、中古のケースなどは熱などによって、 ケースあわせ面が歪んでいることがあるのでガラスや定番などで、ケースの歪みを確認して歪んでいる場合は、 交換したほうが良い。
ガスケットを挟んでネジで締めれば、一見形はちゃんとして見えるが、不整な応力がかかり、 クランクシャフトやミッションの負荷になることがある。ケース固定ネジは、きちんとトルク管理して締めること。  ケースによって性能差がかなり出るので、沢山集めて選別(この辺が経験によって左右する)するのが正しい方法だと思われる。
新品だからと言って良いとは限らないので、購入する勇気も必要だ。
右側のクランクシャフトのベアリングが回ってしまうことが多いが、極端にパワーダウンすることが多いので、この場合は無条件にケースを交換するしか対応はできない。
ロック材などで固定すると本来の性能を取り戻すことができるが、レースの場合車両規則に違反してしまうので、練習のみで使用するだけにとどめよう。



シリンダーヘッド

 シリンダーヘッドは、年式によっていくつかのタイプが在り、その性能については、各チャンバーメーカーを始め、エキスパートライダーたちの大きな関心ごとである。
93年後期モデルより、ヘッドガスケットの変更(薄い鉄板1枚)に伴い、スキッシュ部(燃焼室のふち)の形状が変更になった。また95年にも変更が在るが、目立った変更は無いようだ。うわさになった、圧縮比の変更は実測では確認できなかった。
レースによっては、シリンダーの年式とヘッドの年式を一致させる規則もあるようなので、互換性の項目は良く見ておいたほうがよい。




ピストンリング

 この部品は、消耗品だ。シリンダーの改良にともない、リングに対する負荷が大きくなり、消耗はかなり激しい。早めの点検・交換が、マシンを調子良く保つ秘訣といえよう。交換時期は、5時間以内が理想的。エキスパンダー(はね)は、きちんと取り付けないと車検落ちになるので注意しよう。
セカンドリングを交換せずに摩擦抵抗を減少させようという考えもあるが、現在のマフラー(チャンバー)は背圧が高くなる構造になっているため、圧縮もれしやすい。反面、伸びきりが良くなる可能性もある。



ピストン

 現在入手できるのは、1タイプ3サイズのみである。厳密に言うと、一つ一つが、異なっている。
ポート(穴の形状)や重量が結構違うので、たくさん注文して選別すると、パワー的に有利かもしれない。ポートの穴は、下側に大きく、重量が軽いものがベストかもしれない??
 交換時期は、傷や、摩耗で判断するが、使用するオイルなどによって一概に言えないので、定期的交換(5~10時間が目安)がよいだろう。最近のチャンバーは、トップリングの溝にカーボンが堆積することが多いので、2~3時間毎にカーボンをスクレーパーなどで除去したほうが良い。最悪の場合リングが膠着してシリンダーが焼き付くことがある。




シリンダーについて

 HONDA NSR50では、~95年までのシリンダーとそれ以降のものに別れている。(以後95シリンダーという)
95シリンダーでは、ライバル(YAMAHA・TZM)対策のため、排気ポート及び掃気ポートの形状を変更して、 より高回転でのパワーを追求した仕様に改良されている。反面、低い回転でのトルクは若干減少したので、 初心者の中には”コーナーの立ち上がりがつらい”といった意見があるのも事実である。
 レースやサーキット走行するならば、95シリンダーを使用したほうが、気持ち良く走れるだろう。 尚、シリンダーには、サイズがあり、A・B(無印)・Cと3種類あり、Aが一番大きい。
ピストンも同様にA~Cまでのサイズがある。マニュアルではサイズを合わせるように指示されているが、 実際は、どの組み合わせでもトラブルは起きないようなので、臨時のときに覚えておくとよいだろう。 シリンダーは、固体差がかなり在るので、場合によっては数個のうちから選別するとレースなどでは有利だ。 シリンダーの交換時期は、傷の付き具合によって異なる(クリーナーエレメントがない場合、シリンダーの摩耗は特に激しい)が、 半年くらいを目安に交換するとよいだろう。



キャブレター

 キャブレター本体は、多くのライダーが長期間使用しているが、実は、消耗品と思ったほうが良い。
特に、スロットルバルブは完全な消耗品で、傾いて摩耗する。スロットルバルブの摩耗は、セッテイングが濃い目になることが多い。バルブの交換時期は一概には言えないが、定期的な交換(6ヶ月に一度くらい)をすると、安定した混合気を供給できる。
ジェットニードルなども摩耗する可能性は十分に考えられるので、エンジン不調の際は、キャブレター本体を交換したほうが良いだろう。

2004/
 NSR-MINI用にメッキスロットルバルブ、オプションニードル等が用意されている。メッキバルブは磨耗に強い為推奨できるパーツのひとつである。
ニードルはキャブ口径が排気量に対して大きすぎないので劇的(良くなる方へ)な効果は期待できない。
スロットル中間開度での微妙なセッティングを行いたい時にはニードル交換も良いかも知れない。


マニホールド

 マニホールドは、シリンダーとキャブレターを連結する部分で、入り口と出口の形状が大きく変化しているのが特徴的である。
NSR50では、~95年式と95~年式では、形状が大きく変化している。
大きな違いは、新型にはインテークチャンバーが、新規に追加されている。
目的は、シリンダーの高回転化にともなって犠牲になった低速域を少しでも補おうと取り付けられたと推測できる。・・・・ベンチなどでは、多少の改善効果が認められる。・・・
 サーキットやレースなどで使用する場合は、インテークチャンバーの効果よりも軽量化や、放熱、整備性の向上のため取り外してしまうのが一般的になっている。
ノーマルクラスなどでは、この様な部品の取り外しが認められていない場合が有るかもしれないので、規則書を確認する必要がある。



クラッチ

 HONDA・NSR系エンジンのクラッチについては、ライダー、メカニック、又はショップによって、いろいろな考えが有り、どの説が正しいといったことはいえないと思う。
自分の長年の経験と実践より得たものを紹介したい。

クラッチ整備のポイント

クラッチハウジングの断付き摩耗の点検、修正。ハウジングの断付き摩耗はクラッチ滑りの原因となり、ディスク版やスプリングを交換しても直らないことがある。
あまりひどくない内は、やすりで修正ができる。(ほぼ、車検対応)


Q1、クラッチフリクションディスクの枚数は、3枚、4枚どちらが良い?

A1、SP使用でランニングコストをやすくしたい場合は、4枚が推奨!!

Q2、強化クラッチスプリングは、必要か?

A2、クラッチ板が3枚のときは使ったほうが良いと思う。
推奨品は、CR80用で22401-GBF-830  青色

Q3、ギアオイルは、どうしたら良いでしょう?

A4、難しい問題です。二輪車用ギアオイル又は、エンジンオイルが使用できる。4輪用高級オイルは、減摩剤が多く含まれているのでクラッチがすぐ滑る(エッソ・ユニフロ)注意!!
ATF・使えます。さらさらしているので、攪拌ロスが少なそうだ。
ディーゼルオイルのあまり・使えます。特に問題は有りません。

Q4、ギアオイルの量は?

A5、750cc(全容量)くらいが少なくする安全限界だと考えてる。
500ccでも平気という方もいますが、ベアリングが異音を出したり、センターのシフトフォークが焼き付いたりしている。オイルでエンジンの冷却も行うので減らしすぎは感心しません。



ラジエター

 ’95年式よりNSR80と共通になり、容量が少しアップした。
夏場では絶対的な容量が不足し、水温が上がりすぎるのを緩和するため、導風版を自作または購入して取り付けるライダーは多い。

チェックポイント
ラジエターコアの目詰まり・・・・曲がったり詰まっている場合ピンセットなどで修正する
水温計は、できるだけ取りつけてエンジンの水温管理をすることが望ましい。適正温度は、60-65度くらい。

2004/
 NSR-MINIやNS-50Rの登場により大幅に選択肢が増加した。
ラジエター本体とホースのセットで冷却効率は大幅にアップできる。
部品の購入はHRCサービスショップでのみ購入が可能で、モトバム(東京都上野)・ライコランドなどで購入できる。
夏場サーモスタットは外した方が抵抗が少ない。



リードバルブ

 リードバルブは、消耗品だ。最近は、はねだけ交換できるようになって経済性が向上した。
特に、高回転を多用するミニバイクレースでは、疲労しやすいので定期的な交換を推奨したい。梅雨どきのエンジン不調は、燃料系からおきることが多い。



バランサー

 クラッチ分解時は、バランサーの位置が狂いやすいので特に注意が必要だ。バランサーアイドルシャフトは間にスプリングが入っていて動きが重たいが、この部分を加工することは規則で認められていないので絶対に加工しないこと。
レースでは、分解しなくてもエンジンの騒音で加工がばれてしまう可能性が高い!!

2004/
 NSR-MINI用にセラシギアの除去されたタイプが販売されるようになった。
部品の購入はHRCサービスショップでのみ購入が可能で、モトバム(東京都上野)・ライコランドなどで購入できる。



HONDA NSR系(AC-08E)

トランスミッション一覧

ギア
CRM50
NS50R
NS-1
NSF-H
NSF-L
1
12/38
11/39
11/39
11/39
11/39
2
16/33
15/35
15/35
15/35
15/35
3
20/30
18/31
18/31
18/31
18/31
4
23/27
21/29
21/29
21/29
21/29
5
25/25
23/28
23/28
23/27
23/28
6
27/23
23/26
23/26
24/25
23/26






ギア
NSR80
88以外
NSR80
J(88)
NSR50V
NSR50

CRM80
1
12/38
12/38
12/38
12/38
12/38
2
16/33
16/33
16/33
16/33
16/33
3
20/30
20/30
20/30
20/30
20/30
4
23/27
23/27
23/27
23/27
22/27
5
24/25
25/25
25/25
25/25
25/25
6
26/24
26/23
26/23
26/23
27/23



*NSR50・80 V型は、95年以降

*NSF-H 初期型

*間違いが発見されたらご連絡ください。

  1 2 3 4 5 6
CRM50 3.167 2.063 1.500 1.174 1.000 0.852
NS1 3.545 2.333 1.722 1.381 1.217 1.130
NSR50 3.167 2.063 1.500 1.174 1.000 0.885
CRM80 3.167 2.063 1.500 1.227 1.000 0.852
NSR80 3.167 2.063 1.500 1.174 1.042 0.923


車体関係

車体整備の勘所


ボルトの締め過ぎに注意する!

可動部にはグリスを適量塗布する

操舵系(ステアリングステム)がスムーズな動きをしない場合,分解整備が必要。デリケートな部分なので、良く分からない場合は,わかる人に見てもらうこと。

転倒などで、インナーチューブやアクスルシャフトが曲がっていないかを確認する。



曲がりやすい6本スポークホイール


表題のとうり新型の6本スポークホイールは、強度が不足しており、転倒などですぐ曲がってしまうようだ。

転倒時などは、ホイールの曲がりを点検するようにしよう。

なお3本タイプのホイールは丈夫に出来ているようだ。



ブレーキパットアラカルト

鋭い突っ込みのためには、良く効いて、タレないパットを使いたい。
これは良いといった物がなかなか見つからないが、全然だめといった製品は結構有るので参考までに・・・・・・

ノーマル
平均的で割といいかも?
ニューフレン
全然とまらな~い
M-MAXカーボン
全然とまらな~い
ベスラ
結構効きます
RK
全然とまらな~い
デイトナ(グリーン)
結構効きます
プラスミューカーボン
あまりとまらな~い
AP
全然とまらな~い


お勧め品やこれはだめといった情報を集めています



伸びたチェーン・摩耗したスプロケット

パワーロスは、大きく0,5-1ps位にも達することがある。
早めに交換しよう。



420・415チェーンサイズ


415サイズの細いチェーンは、軽量でロスが少ないが、強度的に弱く、すぐに片伸びしてしまうので、頻繁な交換が必要だ。
スプロケットなども摩耗しやすいので、ベストな状態を維持するためには経済的な余裕も必要になってくる。

420サイズでもレジナなどの高性能チェーンが市販されているのでトライする価値は有ると思う。



リアショックについて

 現在、多くのメーカーから市販されているが、長さ、ばねレート、車高調整機能、イニシャル調整機能、ダンパー調整機能、OH対応などが、選択のポイントになる。
高価な製品も売られているが、自分に必要な機能を持っているかを良く確認して購入したほうが良い。使用時間によって劣化するので、オイル交換やガス注入できるショップで購入したほうが懸命だ。



フロントフォークの調整

 フロントフォークの調整は、柔らか目にセッティングして走行して速度がアップして底突きしてきたら足回りを固めていこう。
ライディング技術以上に硬い足回りだとまったく曲がらずかえって危険だ。

フォークオイル量は油面で管理しよう。方法は、スプリングを抜いてインナーチューブを全屈状態にして上部よりノギスなどで測定する。油量だと完全にオイルを抜いた時以外の再現性がなくなるからだ。

オイル量を増やすとフルストロークに近くなるほど反発力がより強くなる・・・・・フルボトムの調整
イニシャルをかけると(コインなどで)初期の動きから硬くなる・・・・・体重の調整
オイルを硬くすると、フォークの動作速度が穏やかになる・・・・・・コーナリング中の車体の挙動の調整

 フォークオイルは季節によって粘度が変わるので、セッティング時に気温も考慮するようにしよう。
たとえば、カヤバのフォークオイルは気温20度の時でも、#15と#20でかなりの粘度差があるので、1:1で混合して#17.5と言ったオイルを使う可能性なども考慮しておくとよい。

2004/
 NSR-MINI純正部品の多くが流用可能で又価格も手ごろなため人気が高い。
95以降の方はパーツリストを参照していただきたい。



電気関係

電気系の勘所

 以前はよくサーキットで、エンジンがかからなくて、ずーっと押して回ったりエンジンは始動するが回転がスムーズに上がらず、パシバシなったりするのを見かける。
エンジン不調は、キャブレター(燃料)の詰まり、点火系の不良によるものがほとんどである。その中でも点火(電気)系の不調は、ある程度は未然に防ぐことができる。

ポイント
電線の太さの確保、色分け、正しい接合。
 純正と同じくらいの太さの電線を純正と同じ色分けにして使用する。
トラブルの大半は、接合不良によるものが大半であるため、接合は、カシメ又ははんだ付けで行うのが好ましい。

アース不良によるエンジン不調
フレームアースがきちんと取れていないと、点火系の信号が弱ってしまい高回転でのエンジン不調を起こすことがある。
エンジン・フレーム間のアースも注意したほうが良い。

2004/
 特にフレームアースが不十分であるとCDIがパンクする。*高圧電流が1次側に流れサイリスタ破損?
10000回転以上がばらついたりするときは良品に交換してみて確認した方が良い。

最近良く市販されているアーシングキットも気休め的には有効なので購入または自作するのも良いだろう。

2004/
 
95以降の新型電装(NSR-MINIも含めて)はレース使用(主にカートコース)で不評の為、旧型電装が主流になっている。
しかしパワー的には新型の方がピークパワーが出て伸びきりも有利な為、完璧なクラッチ操作が出来れば新型電装も
面白いかもしれない。
特にストリートでは無理に旧型に固執する必要はまったくないため十分検証を行った後結果を報告したいところだ。



プラグ・CDI・点火タイミング=1PS?

ずばり表題のとうり、腐ったプラグとよくないCDI、適当(いいかげん)な点火タイミングで使うとベストの状態から2psのパワーダウンになったという。

それだけ、{電気系は重要ですよ!!}という根拠でしょう。

 コースやチャンバーに合わせた、プラグ、CDI、点火時期の設定を行って、ベストの状態に近づけよう!!!
実際は、チャンバー付きの場合、標準位置より進角するとパワーが出ることが多い。反面伸びきりが悪化するので、高回転でより遅角するCDIユニットが理想的だが、まだ市販されているのを確認したことがない。



プラグ

 点火プラグには、実に多くの商品が市販されている
それぞれに、セールスポイントがあって例えば、燃費が良くなるとか、排気ガスがきれいとか、長期間交換しないで使用可能である、などの特長を持っている。

 レースで使用するに当たって必要な点は、パワーアップ!!の一言に尽きる。50ccクラスでは、ボアが小さいので、燃焼効率がどうのこうのといった点は、ある程度無視できる。そうすると必然的に選ぶアイテムは限られてくる。
推奨できるものは、やはりNGKの赤箱製品・・・・・レース用プラグだろう。ポイントは高圧縮化で、確実にトルクアップが体感できる。
ただし伸び切りは若干悪くなる。正確に走行できるライダーなら0,5秒くらいのラップタイムとなるだろう。
走行フィーリングとラップタイムなどを加味して点火時期の調整を合わせて行ってほしい。

推奨品種  B9EGV   *熱価は8-10,5位まで

2004/
イリジウムプラグは燃焼ガスのオイル分によって失火(ばらつき)しやすいので早めに交換するか、他の製品にした方が良いだろう。



プラグキャップ

プラグコードとプラグを結合する部品で、アフターパーツメーカーよりいろいろな商品が市販されている。
効能は色々有るようだが、抵抗値を低くして、火花を強力化するものがほとんどで体感的な変化は感じられない、と思う。
電気式のデジタル水温計が誤動作する製品が多いので、ノイズは確実に増大しているようだ。
振動によってキャップやコードが緩んだりすることが有るので取り付けはきちんとタイラップなどで固定したほうが安全。
水などが浸入すると失火の原因になるので、防水対策も合わせて行うのが望ましい。



CDIユニット

ノーマルのバイクにはスピードリミッター付きのCDIが取り付けられている。そのリミッターを外すために使用するのがリミッターカットという商品で最高速度が向上するものだ。この場合は、元のCDIユニットを使用するので進角特性などはノーマルと同様である。

さらに発展型として、CDIそのものを交換する方法が現在の主流である。
主要CDI一覧表
POSH
シルバー広く普及している。レースでの定番。
POSH
金・最近発売された高回転タイプ。
旧型電装に適合するが、市場の評価は今ひとつ。
ホンダ NSR-MINIなどの純正は旧NSR80用
ケンソー
POSHに近い?
MBX
高回転では点火時期が不安定
デイトナ
各種有り


乗り方や、チャンバーとの組み合わせによって要求特性が変わってくるので、人の評判やチャンバーメーカーのアドバイスに従うのが無難。

当HPでは、POSH(シルバー)、ケンソーを推奨したい。金POSH・気持ちよく回るが、タイムには結びつかず。