8:鈴鹿ミニモト・サポート情報1

 

情報はなかなか集まりませんが、ユーザーからの情報を元にまとめてみました。

レースは極限の状態でエンジンを酷使しますので性能を追及する側としても宝の山です。

1歩間違うとトラブルの山です・・・

 

ピストン焼き付き:

傾向・・・1コーナーで多く発生しています。新品シリンダーを加工した場合に

特に発生することが多いです。

対策・・・メインジェットを大きくする。(142~5くらい)高級オイルを30:1程度で使用する。

チャンバーの不適合・・・背圧が高い?)

考察:

エンジン全開時はガソリンの気化熱でピストンは冷却されているがスロットルオフ時は

燃料・オイルが無くさらに空気を圧縮してコンプレッサーのような状態になっている。

冷却無く蓄熱しているのでピストンが異常に膨張して抱きつきに至る。

対策:

シリンダーを軽くホーニング・・・適正隙間に修正

面取り量をふやす

一度でも抱きついたピストンは大きく変形しているので再使用しない事

 

遅い

以前ほかのお客さんで「なんか変?」と指摘が有りましてシリンダーをばらしたり

セッティングしましたが直りません。もしかして・・・プラグを交換したら直りました。

デンソーイリジウムプラグはオイルで汚染されると高回転のパワーが出ません。

後日談:ちゃんと燃えるエンジンを提供するように努力します。

やっぱりNGKの赤箱が信頼性ばっちり!!

電気式水温計・タコメーターにノイズが入る場合はセンサーケーブルをフェライトコアに

巻きつけるとノイズが軽減されると言う話も聞いています。

 

CR85リードバルブ

通常ビッグリードしてCR80用を流用していると思います。

苦し紛れに、カーボンリードはいかが? 性能検証はしていませんが、吹き返しが若干減るかも?

CR80と寸法は同じです。

14100-GBF-B41・・・約¥7000

はねのみ14111-GBF-B41・・・¥5250(2枚)

 

簡単パワーアップ***おすすめ***

図の様にリードバルブストッパーの外側の空間をパテや液体ガスケットで充填すると

吸気効率がアップするらしくピークパワーが上がります。

クランクケースの小加工

加工前

加工後・・・バリを取って滑らか仕上げ! 

入り口から緩やかなカーブでクランクに進入するように

ガスケットの整形

シリンダーとガスケットの形状が微妙に違うので削って修正

一次圧縮のアップ

伸びきりが落ちても中間トルクを稼ぎたい場合に有効です。

パテ・液体ガスケットなどでマーク部分に盛り付けます。

液ガスならエンジンを分解しないで除去出来ます。

NSR-MINI風アイドルバランサーシャフト

プレスで簡単に分解出来ます。

*クラッチ組みつけ時に回ってずれやすいので注意!

簡単チューンナップ・・・リードバルブ先

角を落としてスムーズに・・・?

簡単チューンナップ・・・シリンダー下

混合気がスムーズに流れる様に・・・?

こんな感じ・・・

 

トルクの谷が気になる

今年の仕様はやや高回転仕様になっています。当日テストした結果では

NSR50用のノーマルリードを使用すると乗りやすくなるようです。

他にはチャンバーのエキパイにリングを付けてマフラー特性を低速よりに振る方法。

1mmのアルミベースの使用を止めてポートタイミングを変更してエンジン特性を低速に振る方法があります。この場合ヘッドガスケットまたはヘッド容積の調整が必要になりますのでご相談ください。

 

点火時期

坂を登る時に無理に回し続けるとデトネを起こしピストンが溶けたりします。

点火時期が早かったり、スローが薄いとデトネの原因になりますのでご注意下さい。

*銀POSHでも点火時期が早く、遅角しない製品が有るので、ピストンに穴が空いたり

抱きつく場合はCDIユニットを交換すると良いかも知れません

 

インナーローター

点火時期が不適切な物が見うけられますので、良く確認の上使用してください。

トルク感が薄いのでクロスミッションを併用すると良いでしょう。

 

ノーマルローターの軽量加工(危険)

点火時期が加工前に比べ進むことが確認されています。

進み過ぎはトラブルの元ですのでローターベースを調整するか、使用は止めてください。

 

ホイールバランス

100km/hを超えてきますとホイールは特に高速回転で回りますので、

ホイールバランスは取ってください。やり方はシャフトで取る程度で十分です。

 

キャブセッティング・更新

気温・湿度により最適セッティングは変化します。

2月3月は空気密度が高く沢山ガスを入れると良く走りました。

MJ142・スロー45程度

5月6月以降は天気の良い日が多く気温もぐんぐん上がり

薄くしていかないと回転上昇が止ったりプラグがかぶったりする様になりました。

焼き付きなどのトラブルを回避したいと思う気持ちとベストなセッティングは

相反するので悩ましい所です。

予選時の参考セッティングはピストンの焼けから判断してMJ132~135 SJ45で良かった見たいです。

 

ファイナルセッティング

トルクの落ちている回転まで回しても速くはならないので適切な回転でシフトアップが必要ですが

回ると気持ち良いとか感覚的な物が悪さして中々ベストなセッティングを見つける事は

難しいです。ある人は「この辺の判断がライダーの技量なんですよ!!」って教えてくれました。

 

最後に

鈴鹿ミニモトでの2サイクルは今年で終了ですがその他のコースでレースをする場合の

参考になれば幸いです。

また色々アドバイス頂きました各氏に深く感謝いたします。